道具として
「このような入力はできません」
ソフトウェアサービスでこのようなメッセージを示したくなる作り手は一定いる。このようなメッセージを示したくなるのには理由がある。"サービスの利用者は愚かにも道理が分かっていないので我々がそれを教示する必要がある"と考えてしまうことによる。
ソフトウェアサービスの作り手は盲目的になりがちだ。自分たちはそのサービスのことを知っているので、ちょっとした不便さや至らなさが気にならない。ユーザーは一方そのサービスのことを知らないので、ちょっとした不便さや至らなさに躓く。そこで作り手が使い手に"こうするべきだよ"と言いたくなってしまうわけだ。
ユーザーが理解できないことが問題ではない。ユーザーが理解できないものを提供していることが問題だ。そのことを間違えると、ユーザーの活動を縛り付けることが当然かのように思えてしまう。サービスは道具であるべきだ。ユーザーの能力や活動を拡張するものでなければならない。
作り手の都合で使い手を使役することになっていないか、よくよく考えよう。
(UnsplashのJESHOOTS.COMが撮影した写真)